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2006年04月05日

労働安全衛生法が改正されました

連合HPより抜粋

労働安全衛生法が改正され2006年4月1日から施行されました!

 1972年に制定された労働安全衛生法は、多発する労働災害に歯止めをかけることを目指し、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより、労働者の安全と健康の確保を図ることとしています。

 しかし、現状では、労働災害は長期的に減少してきたものの、労災保険の新規受給者数は今なお年間52万人を超え、そのうち重篤な休業4日以上の死傷者数は約12万6千人に達し、一度に3名以上が被災する重大災害は1985年以降増加傾向で推移しています。さらに、「過労死」等の労災認定件数は高い水準で推移しており、化学物質等による健康障害も後を絶ちません。

 また、昨今の社会経済情勢の変革の中で、業務請負等のアウトソーシングの増大、合併・分社化による組織形態の変化、企業内の組織の再編が進行し、就業形態の多様化や雇用の流動化等が進行しました。そのため、所属や就業形態の異なる労働者の混在することとなり、安全配慮義務を負うべき事業者の範囲が曖昧になっています。さらに、世代の交代に伴い安全衛生に関わるノウハウが伝承されないことや、安全衛生管理組織の縮小、業務の質的、量的変化による労働者の負担の増大等が進行しています。

 そうした中、2003年の夏以降、製鉄所における溶鋼の流出災害、ガスタンクの爆発災害、油槽所におけるガソリンタンクの火災災害及びタイヤ製造工場における火災事故等の重大災害が頻発しました。政府による調査によると、災害発生率が高い事業場では、経営トップの率先した安全管理活動の実施が不十分であることや、下請等の協力会社との安全管理の連携や情報交換が不十分であること、労使が協力して安全問題を調査審議する場である安全委員会の活動が低調であること等の問題点が指摘されました。

政府の対応
 政府は、このような問題に対応し、重大災害の確実な減少を図るためには、事業場のトップによる安全衛生方針の表明のみならず、安全委員会の活性化、所属元の異なる労働者が混在している事業場における関係者相互の確実な連絡調整の確保等が不可欠であり、さらに所要の法令・基準・制度の整備、ガイドライン・マニュアル等の策定による災害防止対策の推進を確実に図ることが不可欠との結論に至りました。

 企業及び労働者をとり巻く社会構造の変化に対応し、労働災害の一層の減少を図るためには、労働安全衛生関係法令に基づく最低基準の履行確保に加え、事業者による自主的な安全衛生活動の一層の充実を図り、職場のリスクの確実な低減に取り組むことと、多様化した就業形態を踏まえた安全衛生管理体制の確立が必要との認識から、事業者による自主的な安全衛生への取組を促進するための環境整備、元請等を通じた安全衛生管理体制の実現等を含む安全衛生対策上検討すべき事項について2004年3月29日より検討を行い、今後の安全衛生対策の在り方についての報告書ををとりまとめました。

 この検討会の報告をもとに、2004年9月より労働政策審議会にて審議が行われ、その後建議、諮問、答申と経て2005年の第163回特別国会にて「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」を提出、可決・成立し、2006年4月1日より一部を除き施行することとなりました。

連合の取り組み
 今までの安全衛生法の最低限必要な措置を法令で定めることに加えて、後追い的な予防的な対策から先取り的な予防対策に転換し、事業者の自主的なリスクアセスメントの実施、労働安全衛生マネジメントシステムの普及により、より多くの力を中小事業場の安全衛生行政の活動の強化に向ける考え方を支持します。

 また、グローバルスタンダード化している機械の包括的な安全基準の法制化、化学物質に関する絵表示と管理、さらに事業所者の自主的な労働災防止措置の明確化を支持します。

 企業において社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、労働者、投資家、地域社会等のステークホルダーに対して責任ある行動をとり説明責任を果たすこと、とくに、労働者の働き方等に十分な考慮を行い、かけがいのない個性や能力を活かせるようにしていくこと等の取り組みを強化する考え方を支持するとともに、国は強力な支援を行うべきです。

 さらに、メンタルヘルス対策の一層の強化や労働時間管理の徹底、リスクアセスメントや労働安全マネジメントシステムの業種・企業規模によらず全事業所への導入など、さらなる安全衛生体制の構築と、労働災害の一層の低減に向けて取り組みをすすめます。

投稿者 wp support : 2006年04月05日 08:36

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